けん玉

中村厚氏

 
この記事は2004年~2005年に発行致しました「日本の伝統マガジン」に掲載頂いたコラムです。

けん玉の響きは平和の響き

私は大学2年のときから現在に至るまで、10年以上けん玉に関わっています。
ここでは、けん玉のすばらしさをできる限り紹介したいと思います。

けん玉の一番の楽しいのは、初めて技が成功した瞬間です。
一緒にけん玉を楽しむ仲間がいれば、喜びが大きくなります。
けん玉の技は3万種類もあり、毎年新しい技が生まれるので、挑戦できる技はいくらでもあります。

けん玉は、子供でも、年配の方でもできますし、男性でも、女性でも楽しむことができます。
普段の生活ではあまり関わりのない人たちとけん玉の技を競い、お互いに教えあい、自分の技を見せ合うことは本当に楽しいです。

国際交流の場での、けん玉は役に立ちます。
たとえ言葉が通じなくても、一緒にけん玉を楽しむことができます。
けん玉と同じよなおもちゃは世界中にありますが、現在の日本のけん玉ほど、たくさんの技ができるものはありません。

私はけん玉のおかげで、たくさんの貴重な経験をし、たくさんの人と知り合うことができました。
これからもけん玉の関わり、たくさんの人にけん玉の楽しさを伝えられたらと思います。

けん玉をもっと知りたい方は、ぜひ、けん玉協会公式HPをごらん下さい。

けん玉の響きは平和の響き

けん玉は、日本だけのものではなく、世界中に似たようなおもちゃがあります。

しかし、日本のけん玉ほどたくさんの技ができるものはありません。(約3万種類の技があります。)
そのおかげで、日本のけん玉は伝統的な遊びから、勝敗を争う競技、つまりスポーツとして広まり、毎年いくつもの大会が開催されています。

競技としてのけん玉は、技の成功・失敗を競います。
体操やフィギアスケートのように美しさを含めた得点を競うことはほとんどありません。
つまり勝敗がはっきり分かります。
全国大会ともなるとたった1回の失敗だけで、敗れることになり、選手は手が震えるような緊張感の中で競技をしなければなりません。
精神力がけん玉の勝敗を決めるのです。

私自身10年以上、選手としてけん玉の大会に参加していますが、緊張しすぎて失敗したことが何度もあります。
どうしたら、リラックスしてできるのだろ うと考えるのですが、そう考えると、かえって緊張してしまいます。
今は緊張感は取り除くものではなく、受け入れるものだと思えるようになりました。
そう思うようになってからは大会でも技に集中できるようになった気がします。
観客も大会の緊張感を味わうことができます。
ぜひ、一度ご覧下さい。見るのはただです。

けん玉は世代を繋ぐ伝統の遊び

現在、小学生を中心に多くの人がけん玉を楽しんでいますが、年配の方の中にも子供の頃、けん玉に熱中した人がたくさんいます。
昔けん玉に熱中した人は、現在でもかなり難しい技ができます。
昔けん玉に熱中した人たちが、現在のけん玉の伝承活動を支えています。
年配の方による伝承活動は、子供たちと年配の方の交流の場となっています。

けん玉の技は3万種類もあります。
けん玉があっても、お皿に乗せたり、玉の穴に入れるような遊び方は分かるのですが、それ以外の遊び方「飛行機」、「灯台」、「うぐいす」などはなかなか思いつきません。
ほんの少し、けん玉の技を見せるだけで、けん玉の世界は大きく広がります。

玉をまっすぐに引き上げて玉の穴にけん(けん玉の尖った部分)を入れる「とめけん」も最初はなかなかできないのですが、ほんの少しこつを教えてもらうだけで多くの子供ができるようになります。

成功の喜びを味わって、けん玉に熱中するようになった子供達が他の子供たちにけん玉の遊び方と楽しさを伝えていきます。

そして、きっと、おじいさんやおばあさんになったとき、子供たちにけん玉の楽しさを伝えていくのだと思います。

けん玉の美しさの秘密

 「けん玉は美しい」ほとんどの人は何のこと?と思うでしょう。
それでも私は「けん玉は美しい」と思うのです。

日本のけん玉に似たおもちゃは世界中にあります。
お皿と玉、剣と玉の組み合わせがもっとも単純な形で、英語では前者をカップアンドボール、後者をスティックアンドボールと呼ぶようです。
日本のけん玉は皿と剣と玉があるので複合型になるのですが、けん玉はその形ゆえに、なんと3万種類もの技ができるのです。

「けん玉は美しい」という言葉の意味は、けん玉の機能美を表しています。
お皿が三つある現在のけん玉の原型は広島県呉市の江草濱次(えぐさはまじ)氏が大正時代に「日月ボール」として考案したものです。
そして、初代けん玉協会会長の藤原一生氏がけんの両側から糸を出せるけん玉を考案し、競技用けん玉に発展しました。
この発明により糸の出し方を変えることで、右利き用けん玉、左利き用けん玉の両方に使用できるようになりました。

木製であるけん玉は、けん玉ごとに形が微妙に違います。重さも違います。
微妙な違いにより、技がやりやすくなったり、やりにくくなったりします。
大事に使い込むと、技がやりやすくなります。

そして、長い間大事に使ったけん玉は、本当に美しいのです。

子供たちの想像力を育てるけん玉遊び

現在の子供の遊びの代表は、コンピュータゲームです。
残念ながら、毎日けん玉で遊んでいる子供は少数派です。
私自身も、学生の頃コンピュータゲームに夢中になって、真夜中まで、あるいは翌朝までゲームをやり続けたことがありますが、ゲームをした後の気分はあまり良くなかったように記憶しています。
一方、けん玉に夢中になり、毎日何時間も練習したいた頃、自分自身の技術が上達していくことを感じるのはとてもいい気持ちでした。

コンピュータゲームが与えられる遊びであるのに対して、けん玉をどう使うかは自分で決めることができます。
けん玉は玉をお皿に乗せる遊びだと考えている方が多いと思いますが、遊び方は無限にあります。
競技としてのけん玉には細かなルールがありますが、遊びとしてのけん玉は全く自由です。
玉をお皿に乗せるという基本の技を成功させたときの喜びが更に難しい技への挑戦、新しい技の創造、成功のための練習と工夫に結びつきます。

けん玉を使った「積み木」は子供たちが好きな遊びですが、たくさんの技が可能なけん玉は、その絶妙のバランスゆえに美しい積み木になります。

子供たちが考えた技や子供たちの作った積み木を見ると、子供たちは自由な遊びの中で想像力をつけるのだなと感じます。

人前でけん玉をやろう!

けん玉は、練習した分だけ上達します。
もっと上達するためにはどうすれば いいでしょう? 
人前でけん玉をやると、驚くほど上達します。

けん玉がうまくなると、自分のけん玉の技を誰かに見せたくなります。
ところが、一人で練習していたときにはできるのに、他の人がいる前でけん玉の技をやろうとすると、うまくできないことがよくあります。
けん玉の技を見せるのは、かなりの緊張感を伴うからです。

しかし、この緊張感がけん玉の技を磨くのです。
はじめてけん玉の大会に出場した選手が、大会の中に目に見えて上達していくのを何度か見たことがあります。

私自身もはじめて人前でけん玉をやった後、急にうまくなった経験があります。ですから、けん玉がうまくなりたい人はどんどん人前でやるべきだと思います。

ほとんどの人はうまくなってから、人前でやろうと考えるのですが、そう考えているといつまでたっても人前ではできません。
なかなか上達しないのです。

失敗もまた良い経験と考え、どんどん人前でやってみましょう。
練習でも成功率の低い技を人前でやってみるのは勇希が必要ですが、成功したときは快感です。やみつきになるかもしれません。

けん玉を広める方法

けん玉はすばらしいところがたくさんあり、やってみるととても楽しいのですが、やったことのない人もたくさんいます。
けん玉協会HP管理者として、けん玉を広めるためにどうすればいいのか、考えていることを書こうと思います。

まず、コマーシャル。
雑誌やTVでの広告はそれなりの広告費が必要です。
小学生全国大会は小学館の「小学○年生」に無料で掲載いただいていますが、定期的な掲載は困難ですので、ホームページの役割は大きい思います。(手前みそですが)

けん玉を触ったことのある人はたくさんいるのですが、お皿にのせるぐらいで、玉の穴にけんの先を入れたことがないという人がほとんどです。

お皿に乗せるだけでは、すぐに飽きてしまいます。
しかし、ほんのちょっとしたコツさえわかれば、10分ぐらいの練習でほとんどの人が玉の穴にけんの先を入れることができます。(とめけん:技の名前)

初めてけん玉をする人が、もっとけん玉をやってみたくなる情報をたくさんホームページに掲載して、たくさんのひとにけん玉の楽しさすばらしさを伝えられればいいなと思っています。

当サイトはボランティアで成り立っておりますので、各種広告スペースが挿入されます。ご了承下さい。